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【マイナー楽器とは言わせない!】天からの声 ファゴット(バスーン)の魅力

2019-12-05 08:08:53

みなさま、ファゴットという楽器をご存じでしょうか?

オーケストラに必要不可欠な楽器ですが、見覚えがないという方が大半だと思います。

ヴァイオリンやトランペットのような花形楽器ではないものの、誰もが一度は聞いたことがあるはずのマイナー楽器ファゴットの魅力を、元奏者が分かりやすく解説します!!

■まずファゴットとは・・・?

ドイツ語でファゴット、英語でバスーンと言う、楓の木からできた木管楽器です。

17世紀中期あたりからファゴットの祖先が作られ、何度も何度も改良を重ねて、現在のファゴットが誕生しました。

クラリネットやフルートとは違ってとても大きな楽器で、なんと長さは135cm!

私自身、身長が152cmのため慣れるのにとても苦労しました・・・。小柄な方やお子さんは楽器を持つだけでも一苦労だと思います。

また、キーという音を切り替えるためのボタンがあるのですが、ほかの楽器に比べてとても多く、両手すべての指を使います。特に大変なのが、左手の親指だけでも9個のキーを扱わなくてはいけません。このキーの多さと複雑さにまず挫折する方が多いです。

■どんな音?

かの有名な音楽家べートーヴェンは、ファゴットの音色を「天からの声」と称したほど、柔らかく豊かで神秘的な音を出すことが出来る楽器です。

見た目に反して音域が広く、低音から中音の3オクターヴから4オクターヴまで出すことができ、オーケストラでは伴奏はもちろんのこと、様々な場面のソロで活躍しています。

低音は男性の声のような響きのあるテノール、中音は伸びやかで繊細な音を奏でることができ、表現の幅が広いため、曲中では喜びや悲しみを表現する場面で使われることが多いです。

普段クラシックを聴かない方はピンと来ないと思いますが、ファゴットはドラえもんや日本昔話のBGM、テレビCMでもよく使われています。

スタッカート(短い音)で演奏すると、「ポッポッポッ」というおどけたような音が出るため、アニメに多く登場しています。

■ほかの楽器との大きな違い

ファゴットは、見た目以外にほかの楽器と大きな違いがあります。

それは吹き口です。

同じ木管楽器のクラリネットやサックスは、吹き口であるマウスピースにリードという一枚の板をつけて息を吹き込みます。一方ファゴットは、上記の画像のような、板が二枚合わさったリードをボーカルという金属に付けて演奏します。

クラリネットのリードは、マウスピースに一枚の板状のリード(シングルリード)をつけて吹きます。一方ファゴットは、二枚の板が張り付いた状態のリード(ダブルリード)を直接くわえて演奏します。

初めて見る方は、違いがあまり分からないと思いますが、吹き方にも大きな違いがあります。クラリネットやサックスなどのシングルリードは、マウスピースを前歯に当てて下唇をリードに添えるように吹きますが、ファゴットは上唇と下唇で挟んで歯を当てないように吹きます。

また、吹き口がとても細いため入る息の量が少なく、楽器が大きいわりに出せる音量は小さいです。ほかの楽器と吹いているときは、大きな音量の出るトランペットなどに負けてしまいます。

このダブルリードを使っている楽器は、ファゴット属とオーボエ属のみになります。そのため、他の楽器とは異なる独特な音色を作ることができます。

■活躍の場はオーケストラ以外にも!

上記の通り、ファゴットといえばオーケストラに必要不可欠な存在ですが、実は吹奏楽でも活躍しています。

吹奏楽とは、主に管楽器メインで編成される音楽のことです。オーケストラとは違って、ヴァイオリンやチェロなど弦楽器がいない編成になります。

オーケストラでは、管楽器(クラリネットやトランペットなど)がとても少ない人数での編成になるので、音量が小さいファゴットの音も通りやすいのですが、吹奏楽は大きな音の出る管楽器編成のため、ファゴットの音がかき消されやすいです。

特に行進曲だと伴奏もメロディーもみんなで吹いているので、よ~く耳を澄まさないと聞こえません。

そんな音の小さいファゴットが吹奏楽でどうやって活躍しているのかというと、ソロ以外にも重要な立ち位置があります。

それは、ほかの楽器と溶け合いやすい音色を活かしてサウンドにまとまりを持たせることです。

音域の広いファゴットは、低音を活かした伴奏から中音を活かしたメロディーなどを担当します。音が独立して目立ちやすいサックスや、オーボエの音をひとつにするためにファゴットが必要になります。

小規模な吹奏楽だと、高い費用がかかる上に指導できる人が少ないファゴットが省かれることもありますが、やはりファゴットが居るバンドと、居ないバントとではサウンドに大きな違いが出てきます。

■ファゴットが目立つ曲とは?

縁の下の力持ちであるファゴットは、トランペットやフルートのように花形楽器ではありません。しかし、そんなファゴットが大活躍する名曲も多く存在しています。

これを聴けば、きっとあなたもファゴットの虜になる!?名曲たちをいくつかご紹介します。

●春の祭典 作曲:ストラヴィンスキー

ファゴット吹きであれば一度は聴いたことがあるはずの、超名曲からご紹介します。

華やかな曲名に反して、複雑なリズムとグロテスクなメロディーが特徴的です。

曲の冒頭で、早速ファゴットの独奏が始まります。

この曲は、「ファゴット奏者泣かせ」としても有名で、演奏するのが難しいハイD( 高いレの音)が出てきたり、五連符の中に装飾音が入ってたりと、高音域で複雑なリズムの高難易度なソロが見どころです。

また、通常オーケストラの中にファゴット奏者は2人ほどですが、この曲では5人もファゴット奏者がいます。曲中のファゴット五重奏にも大注目です。

●魔法使いの弟子 作曲:デュカス

ディズニー映画「ファンタジア」の中でも演奏されている、ファゴット大活躍の曲です。

東京ディズニーシーのファンタズミックというショーを見たことがある方は、聞き覚えがあると思います。

魔法使いの弟子が魔法を使って箒に水汲みをさせる場面で、ファゴットによる箒のテーマが始まります。特徴的なおどけた音色が際立ったメロディーが、ファゴットをより際立たせてくれます。

こちらもファゴット奏者が4人と通常編成よりも多めです。

箒のテーマを聴いているだけで、魔法にかけられた箒たちがせっせと水汲みをしている情景が浮かぶ、可愛らしくて楽しい曲です。

●ファゴット協奏曲 作曲:モーツァルト

ファゴットの協奏曲といえば、誰もが知っている有名な音楽家モーツァルトが、わずか18歳の時に書き上げたこちらの曲。

この曲は、プロ楽団の入団オーディションでは必須で、この曲が吹けなければプロ奏者にはなれません。それほど有名で、高度な技巧が必要な曲です。

第一楽章では、ファゴット最大の特徴であるひょうきんなキャラクターが前面に押し出されます。しかし第二楽章では、しっとりとした色気のあるメロディーで、ファゴットの新たな魅力に気付かされます。

モーツァルトらしい華やかなこの曲を聴けば、ファゴットの多面性に驚くことでしょう。

■ファゴットの魅力 ~まとめ~

まずはファゴットという楽器が存在していることを知っていただけるだけで良いと思います。そして、できれば名前を覚えていただきたいです。

ファゴット奏者はみんな、「どんな楽器やってるの?」と聞かれたときにとても困ってしまいます。それだけ一般の方はファゴットのことを知りません。

縁の下の力持ちであるファゴットに少しでも興味を持っていただけたら幸いです。

ぜひドラマやアニメやCMのBGMに耳を傾けてみてください。ファゴットの音が分かれば、他の楽器の動きも自然と聞こえてきて、より音楽を楽しめると思います。

ライター:おっきー