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ブックメーカー界の通説「Jリーグにはホームアドバンテージがない」というのは本当なのか検証してみた

2019-11-15 01:06:15

サッカーの世界では昔から「ホームチームが有利である」、つまり「ホームアドバンテージがある」と言われ続けている。 

実際、サッカー番組などを見ても、このホームアドバンテージがあるのだという前提でサッカー解説者があれこれうんちくを傾けている。 

しかし、そのようなサッカー界の風潮とは裏腹に、ブックメーカーの世界では「Jリーグにはホームアドバンテージはない」というのが通説・定説となっている。 

サッカー解説者とブックメーカー民、はたして正しいのはどちらなのか?

実際に検証しているので、ぜひ参考にしてほしい。

まずはヨーロッパ5大リーグでホームアドバンテージの有無を検証 

Jリーグに、ホームアドバンテージがあるのか否かを検証する前に「そもそもサッカーにホームアドバンテージが存在するのか?」という点を検証する。

検証に使ったのは2018年-2019年シーズンの、

  1. プレミアリーグ
  2. リーグアン
  3. ブンデスリーガ
  4. セリエA
  5. ラリーガ

の、5つである。

この5つのリーグそれぞれで、ホームチームの勝率とアウェイチームの勝率を出し、その勝率差を検討する。 

以下がそのデータである。

プレミアリーグ

  • H 181/380=47.6%
  • A 128/380=33.7%
  • 差 13.9%

リーグアン

  • H 164/380=43.1%
  • A 106/380=27.9%
  • 差 15.2%

ブンデスリーガ

  • H 138/306=45.1%
  • A 95/306=31%
  • 差 14.1%

セリエA

  • H 166/380=43.7%
  • A 106/380=27.9%
  • 差 15.8%

ラリーガ

  • H 168/380=44.2%
  • A 102/380=26.8%
  • 差 17.4%

このように、全てのリーグでホームチームとアウェイチームの勝率は10%以上の差、平均すると15%前後の差がついた。 

ラリーガにいたっては17%を超える勝率の差がついている。 

二桁以上の差が付いているので、これは統計上誤差では処理できない明確な差があると言える。

ヨーロッパを代表するこの5つのリーグに関しては、明確に「ホームアドバンテージがある」と言えることが分かった。

Jリーグでホームアドバンテージの有無を検証

次にJリーグでホームアドバンテージの有無を検証する。

使うのは2014年から2018年のJ1リーグのデータである。

これも上記のヨーロッパ5大リーグの場合同様、ホームチームの勝率とアウェイチームの勝率を出し、勝率の差からホームアドバンテージがあるのか否かを検証する。

以下がそのデータである。

J1

2018年

  • H 128/306=41.8%
  • A 109/306=35.6%
  • 差 6.2%

2017年

  • H 126/306=41.1%
  • A 107/306=35.0%
  • 差 6.1%

2016年

  • H 117/306=38.2%
  • A 119/306=38.9%
  • 差 -0.7%

2015年

  • H 118/306=38.6%
  • A 113/306=36.9%
  • 差 1.7%

2014年

  • H 125/306=40.8%
  • A 104/306=34.0%
  • 差 6.8%

J1リーグの場合は、少し変わった結果となった。

まず、2014年・2017年・2018年の3シーズンはホームとアウェイの勝率の差はすべて6%台でおさまっている。

一方、2015年と2016年シーズンはホームとアウェイで勝率の差はほとんどなく、2016年にいたってはむしろ「アウェイアドバンテージ」という解釈もできなくもないようなマイナス勝率となった。 

このように真っ二つの結果に分かれた理由は正直言って不明である。

可能性として考えられるのは「リーグ運営の差」である。

というのも、2015年・2016年シーズンは他の年度と違い「前期後期制」を採用しているのである。

この前期後期制は90年代も採用されており、実はその時期もホームとアウェイの勝率の差はほぼゼロで推移していることが、ホームゲーム&アウェーゲーム勝率で知ることができる。

つまり「前期後期制を採用すると、ホームアドバンテージはないに等しい状態になる」のである。 

ではなぜ前期後期制を採用すると、ホームとアウェイの勝率の差がなくなってしまうのか?

1年単位で戦う前提でチームを運営するのと、半年単位である意味短期決戦を前提としてチームを運営するのとでは、アウェイでの戦い方に差が生まれるのだろうか? 

仮説は浮かぶものの、やはりはっきりとはしない。

わかるのは、この前期後期制を採用したシーズンには、ホームアドバンテージは存在しないという事実だけである。

このように2015年・2016年シーズンはホームアドバンテージは存在しない。

一方、残りの3シーズンは6%台と小さいながらもホームとアウェイで勝率の差があるのが分かる。

同時に、ヨーロッパ5大リーグと比べるとホームとアウェイの勝率の差は実に10%近くもあるということもわかる。 

これらのことから以下のようなことが言える。

  • Jリーグでもホームアドバンテージはあるにはある
  • しかしこのアドバンテージはかなり小さく誤差として処理してもいいレベルでしか過ぎない
  • 前期後期制を採用しているシーズンは完全にホームアドバンテージはなくなってしまう

チームによってホームアドバンテージに差があるのかどうかを検証

このようにJリーグにおいては、

「ホームアドバンテージはあることにはあるが、ちょっとだけ有利という程度に収まっている」

ということがお分かりいただけたと思う。 

では今度は、「チームによってホームアドバンテージに差があるのか」を検証してみたいと思う。

なぜこのような検証をするのかと言うと

  • 日本の端っこにあるチームは移動距離が大きくなるのでホームとアウェイの勝率に大きな差が生じる
  • 平均観客動員が多いチームほどホームアドバンテージが発生しやすい

という説がサッカー界でもブックメーカーの世界でも唱えられているからである。

そして直近の50試合を使って検証した結果が以下の通りである。

札幌

  • H 10/25=40%
  • A 9/25=36%
  • 差 4%

仙台 

  • H 11/26=42.3%
  • A 7/24=29.2%
  • 差 13.1%

鹿島

  • H 15/24=62.5%
  • A 12/26=46.2%
  • 差 16.3%

浦和

  • H 11/26=42.3%
  • A 8/24=33.3%
  • 差 9%

FC東京

  • H 14/25=56%
  • A 9/25=36%
  • 差 20%

川崎

  • H 13/26=50%
  • A 14/24=58.3%
  • 差 -8.3%

横浜FM

  • H 13/25=52%
  • A 12/25=48%
  • 差 4%

湘南

  • H 6/26=23.1%
  • A 9/24=37.5%
  • 差 -14.4%

松本

  • H 7/26=26.9%
  • A 10/24=41.7%
  • 差 -14.8%

清水

  • H 12/24=50%
  • A 8/26=30.8%
  • 差 19.2%

磐田

  • H 5/24=20.8%
  • A 5/26=19.2%
  • 差 1.6%

名古屋

  • H 10/25=40%
  • A 8/25=32%
  • 差 8%

G大阪

  • H 11/24=45.8%
  • A 7/26=26.9%
  • 差 18.9%

C大阪

  • H 9/24=37.5%
  • A 13/26=50%
  • 差 -12.5%

神戸

  • H 9/24=37.5%
  • A 9/26=34.6%
  • 差 2.9%

広島

  • H 10/26=38.5%
  • A 10/24=41.7%
  • 差 -3.2%

鳥栖

  • H 13/25=52%
  • A 4/25=16%
  • 差 36%

大分

  • H 12/24=50%
  • A 10/26=36.5%
  • 差 13.5%

まず検討するのは、

「日本の端っこにあるチームは移動距離が大きくなるのでホームとアウェイの勝率に大きな差が生じる 」

という説であるが、これは明確にはそうとは言えないということがわかる。

確かに日本の端っこにある鳥栖と大分はホーム勝率が高いが、同じく端っこにある札幌は特段高いとは言えない。 

一方、日本のど真ん中にありアドバンテージの恩恵を一番受けそうにないFC東京は、ホームの勝率がアウェイ勝率よりも20%も高くなっている。 

その他のチームを見ても、ホームの勝率とアウェイの勝率差は見事にバラバラで、全くと言っていいほど傾向らしい傾向がない。 

このことから日本国内に関しては、

「地理的要因とホームアドバンテージにはそれほど関連性はない」

と言え、

「日本の端っこにあるチームは移動距離が大きくなるのでホームとアウェイの勝率に大きな差が生じる」

という説はただの思い込みであったようである。 

次に検討するのは、

「平均観客動員が多いチームほどホームアドバンテージが発生しやすい」

という説である。

観客動員はシーズンによって差があるが、上位は概ね、

  1. 浦和
  2. ガンバ大阪
  3. FC東京
  4. 横浜FM
  5. 川崎フロンターレ

の5チームが占めている。 

そして、この5チームのホームとアウェイの勝率の差を見てみると、

  • 浦和9%、
  • ガンバ大阪18%、
  • FC東京20%、
  • 横浜FM4%、
  • 川崎フロンターレ-8.3%

というように見事にバラバラである。 

このように、平均観客動員数と勝利とは何の関係性がないと分かり、この「平均観客動員が多いチームほどホームアドバンテージが発生しやすい」という説も、やはりただの思い込みに過ぎなかったということが判明した。

ホームアドバンテージに関する俗説は、どれも間違いだったと分かったわけだが、

「そうは言ってもチームによって、ホームが強いチームとアウェイが強いチームがあることも明白だ。だからホームが強いチームとアウェイが強いチームのデータを出し、それを実際の賭けに生かせばいいのではないか?」

と主張する人がいるかもしれないが、それはやめておいた方がいいであろう。 

というのも、このホームに強いチームとアウェイ強いチームという傾向はその年によってかなりばらつきがあるからである。

例えば札幌。 

札幌はホームではかなり強いが、アウェイではめっぽう弱いチームとして90年代から有名であり、実際データを見ると年によっては勝率で20%以上の差が付いていることも珍しくない。 

しかし直近50試合では、上記の通りホームとアウェイでそれほど勝率に差はない。 

これは以前までの札幌はホームグラウンドの芝の特殊性を生かした戦術で戦っていたのに対し、現在はそのような芝の特殊性を全く考えず、どんな環境でも安定して勝てるようなパスサッカーに切り替えたことが影響していると考えられる。

ホームとアウェイの勝率が大きいヨーロッパなら、戦術変更による勝率の差は誤差レベルであろうが、元々のホームとアウェイの勝率の差が小さいJリーグにおいては、チームの戦術スタイルが少し変わるだけで、過去データはすぐに何の役にも立たなくなってしまう。

つまり、Jリーグではチームごとのホーム勝率とアウェイ勝率を利用した賭けは、非常にリスクの高い手法といえるのである。

まとめ 

このようにJリーグにおいては、

「ホームアドバンテージはあることにはあるが、そのアドバンテージは小さく、無視しても構わない程度である」

ということができる。

ではこの検証結果を実際の賭けに活かすにはどう考えればいいのだろうか? 

1つは、

「ホーム・アウェイを無視して単純に強いチームに賭けることができるので賭けの機会が増える」

というものである。 

ヨーロッパのリーグにおいては、例えばレアルマドリードのような圧倒的な強さを誇るチームであっても、アウェイでの試合となると、

「もしかしたら負けるのではないか?」

もしくは、

「引き分けで終わるのではないか?」

という事が頭をよぎり、賭けるのをやめてしまうことは珍しくない。 

極端に考えれば「リーグの半分は賭けのチャンスがなくなる」ということになる。

そして実際、その嫌な予感は当たることも珍しくなく、格下チーム相手のアウェイの試合で1点先制されてそのまま上手く逃げ切られるパターンは、みなさんも何度も目にしていることであろう。 

それぐらいヨーロッパのリーグにおいては、ホームアドバンテージというのは強烈なのである。 

一方、Jリーグについては、そのようなアウェイの不利さを考慮せずに賭ける事ができるので、単純に賭けのチャンスが倍になる。

また、他人の予想に乗っかる場合でも「ホームアドバンテージがどうたらこうたら」という説明がついた予想は切り捨てることができる。 

2つ目は、

「アムウェイチームの勝利にかけるとオッズ的に美味しい思いができるかもしれない」

ということである。

Jリーグに明確なホームアドバンテージが存在しないのは上に書いた通りであるが、ブックメーカーのオッズの付け方を見ると、どうもヨーロッパ同様のホームアドバンテージがあるという前提でオッズをつけているようにしか思えないのである。 

つまり、アウェイチームはたとえ強豪チームであっても高めのオッズを付けられがちなのである。 

そうすると、強豪チームのアウェイ試合の場合、これを利用して美味しい思いができるかもしれないのである。 

もちろん強豪チームであろうと、負ける時は負けるし、弱小チームであろうと勝つ時は勝つので過信は禁物なのは言うまでもない。